数日前、ル・モンド誌に掲載された記事で
ミッテラン元フランス大統領から長年の愛人に送られた
ラブ・レターが出版されるということを知りました。

http://www.lemonde.fr/livres/article/2016/10/06/anne-pingeot-au-grand-jour_5008925_3260.html


ミッテラン氏に隠し子がいたということ自体は
かなり前から知られていまして、
女性問題について記者が質問した際、ミッテラン氏が

"Et alors?" (エ・アロー?=それが何か?)

と聞き返したというのは有名で、
この言葉にいたく感銘(?)を受けた渡辺淳一氏が
「エ・アロール」という小説を書いたという逸話を
ご存じの方も多いかと思います。

愛人であるアンヌ・パンジョ女史は
厳格で保守的なカトリック教育を受けて育った
ミッテラン氏の友人の娘だそうです。

14歳のその娘を
ゴルフ場のクラブハウスで見かけたのが馴れ初めで
愛し合うようになったのは一応20歳の時という話で
(ミッテラン氏は47歳!)
彼女は長じてオルセー美術館の
19世紀後半の彫刻を専門とする学芸員になります。

annepingeot

赤いマントの女性がアンヌ その隣がミッテラン氏 (画像はル・モンド誌のものを拝借しています)

1964年に始まったこの関係において
1974年にマザリーヌという娘がひっそりと誕生し
ミッテラン氏が亡くなる1996年までの32年間
二重生活が続けられていたとのこと。
rue Jacob、パリ六区が母子の住まいであり
時々父親が訪ねてくる場所でした。

1996年、ミッテラン氏の葬儀の際、
母子の姿がフランス国民の目に初めて触れ
その10年後一人娘マザリーヌが本を出版し
元フランス大統領の二重生活について語りましたが、
既に1994年にパリ・マッチ誌が
ミッテラン氏とマザリーヌが
パリで会っている写真を掲載したことにより
フランス国民はその隠れた存在を知っていました。

「その時代のカトリック的・ブルジョワ的道徳観のため」
ダニエル夫人との離婚は絶対にしなかったミッテラン氏。
こんなことを言っていたとか。


“Il n’y a d’amour éternel que contrarié.
Méfiez-vous d’un amour paisible où tout va bien !
Quand c’est difficile
– quand c’est tout le temps difficile –,
l’amour ne s’éteint pas.” 

障害がなければ永遠の愛はない。
平穏な愛、なにもかもうまくいっている愛はダメだ、
困難なとき-常に困難が待ち受けている時-、愛は冷めないのだ。


レジスタンスの同士であったダニエル夫人とは
1944年に結婚し3男に恵まれています。
一応、この出版はダニエル夫人が
この世を去るのを待ったあとだそうですが、
それにしてもまさか恋文が
「後世、出版されてみんなに読まれる」ことを
想定していなかったミッテラン氏もびっくりでしょう。
自分が愛した女性とその子がこのようなことをするとは・・・

それにしても
「困難だから不倫は燃えるんだよ」と言ってしまうミッテラン氏。
(平たく訳しすぎでしょうか?^^;)
年端もいかなかった頃から洗脳?されてしまったアンヌ。
婚外子として寂しい思いをしたのか
自己肯定感が欲しくて仕方がなくて?暴露本を綴るマザリーヌ。

人生いろいろですね・・・

隠れた関係とはいえ、32年も続いたとなれば
「本物の愛」に昇華する、の、かも、しれませんし、
それほど長く誰かと愛し愛されあったことのない私から見ると
尊敬し愛する人と32年間もの間
婚姻関係で縛られていないにも関わらず
愛の醒めない「家庭」を築き、子を授かり
死後もなお「後にも先にも彼だけだった」と言うくらいなのだから
アンヌという女性はとても幸福だったと思います。
娘も母親を崇拝しているようですし。
マザリーヌの肩書は「作家」ですので
娘が母親に「後世に残すべき」と背中を押したのかと思えます。

でも・・・愛する人からのラブレターは
秘するべきではないでしょうか。

(ふと、フランス人の元恋人からのラブレターが
たくさんあるのを思い出しました!どうしましょう~ )


国父としてはシャルル・ド・ゴール元大統領の次に
国民に指示され尊敬されているミッテラン氏ですが
私生活はこのように「裏」がありました。
それでも、現在お茶の間を賑わせている
某アメリカ大統領候補の方とは
だいぶ品格が違うように思うのは私だけでしょうか。


メゾン・ヴィヴィエンヌ店主


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