おはようございます。
フランスアンティーク&ブロカント雑貨のメゾン・ヴィヴィエンヌ店主びびあんです。
ストーカー問題はとりあえず落ち着いています。ご心配くださった方々、本当にありがとうございますm(_ _ )m
痴漢にはよく遭いましたが、ストーカーみたいなことをされるのはこの年になって初めてでした。
さて、気を取り直して少しずつ買い付けてきたアンティーク&ブロカントたちのお手入れをし、背景を調べ・・・という作業をしています。
3行くらいの説明で売っているお店もたくさんあるので、それでもいいじゃないと思うのですが、自分が知りたくて、知りたくて、仕方がないのです^^;それにお客様も背景をわかってお買い上げされるほうがずっとお品物に愛着が湧くと思いますし、大切にしていただけるかと思いまして。なにより時代の生き証人であるアンティークから歴史を紐解くのは楽しいですよね。
こちら、比較的よく見かけるタイプのアンティークアイロン。
様々な大きさがあり、掛けるパーツによって使い分けられていましたが、この大きさが一番ポピュラーなようで、よく見 かけます。
1882年にアメリカのシーリーが電気式アイロンの特許を取得しましたが、まだ電気が一般家庭に普及していたわけではなかったので、1900年代に入ってもこのような鉄製アイロンが欧米では一般的に使われており、ストーブの上などで直接熱していました。
18世紀イギリスの肖像画家Henry Robert Morland は家事をする女性もよく描いていたようで、洗濯をする女性の絵もありますが、アイロンを掛ける女性(メイド)の絵も。
ここで使われているのは炭火アイロンですね。二等辺三角形のハコの中に熱した炭火を入れて使います。
中国ではかなり昔から、銅鍋のようなものに炭火を入れて底面をつかって布の皴を伸ばすということがされており、日本でもその技術を応用した「火熨斗(ひのし) 」という道具が長い間使われてきましたが、幕末~明治初期頃に炭火アイロンが伝わり、電気式アイロンが普及する昭和30年代頃まで使われていたということです。
商品のようなストーブなどで熱して使うタイプのアイロンは、炭火アイロンだと火の粉が飛ぶし、温度調節が難しくて布を焦がしてしまう。ということで(熱して使うタイプも難しそうですが)登場したようです。
そういえば、私の母はアイロンを掛ける時に必ず「当て布」をしていましたが、これはその時代からの習慣の名残のようです。
私は現在は当て布はしていませんが、皆さまはどうでしょうか?
昔は着るもののお手入れも大変でしたね。家事(→女性の仕事・・・)は本当に大変だったと思います。
さて、アイロンについているエンブレムや文字ですが、エンブレムは所有者を表すことが多いようです。
この品物はHERRULOT家 というご一家のものということのようですが、Genderme と書いてあるものをけっこう見かけます。
ジャンダルムというのはフランスの国家憲兵隊と訳され、フランス革命以前は近衛騎兵隊でした。
陸海空軍に次ぐ「第4の軍隊」との位置づけで、警察とはまた違う組織なんです。
びびあんの元彼のお父様と伯父様がどちらだったかの偉いさんでしたが、説明されても「どうして警察みたいなのが二つあるの・・・」と不思議に思ったものです。
地方はGendarme で 都会は警察。とザックリ理解していましたが、調べてみると「ジャンダルムの警察業務は人口1万人以下の地方部が中心であり、大都市部はフランス国家警察が担当する」ということなので、一応、その認識で合っていたようです(^_^;)
語源はGen d'armes ジャンダルム つまり武装した人々。そのまんまですね。
さて、脱線しましたがアイロンに話を戻すと、アイロンに書かれた数字がある場合は、サイズを表すのだそうです。身頃、腕、小物・・・色々なサイズが必要だったのですね。
その名の通り「鉄」のかたまりですので、非常に重いです。送料もそれなりにかかりましたが、7個ほど買い付けてきました。
現代での使い道は、インテリアオブジェとしてはもちろんのこと(フレンチカントリー風インテリア好きな方にはたまらないですね)、二つ揃えてブックエンドとしてお使いになる方が多いようです。またドアキーパーとして使われる方もいらっしゃるようですね。
本来の用途である「熱して使うアイロン」としてのご使用だけは、おすすめできません。
こちらはかなりサビのきいた個体となりますが、サビのほとんどない黒いものもあります。これはもう、好き好きですね。わざわざサビ加工したり、家具のペイントをはがしたりなどの「シャビーシック風」加工の施し方の本もあるくらいなので。
アンティークアイロン アイロンホルダーはこちら
以上、長い?アイロン談義にお付き合いくださいましてありがとうございました。
皆さま素敵な花金(死語?)をお過ごしくださいませ。
ごきげんよう♪
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